合格者のメッセージ
Voice:17 井高 将斗さん(平成23年 新司法試験合格)

学習方法は人ぞれぞれ
真摯な態度で努力し続けることで道は開ける

 私は、修了して3回目の試験で合格するまで5年間本学に通い続けました。1年次生から、とにかく在学生の上位3位以内に入れば新司法試験に合格できるという信念のもと、朝の9時から夜中の11時まで正月の2日間を除いて毎日勉強。2、3年次生対象の答案練習会にも積極的に参加し、いつしか私は周囲から“鉄人”と呼ばれるようになりました。
 しかし、知識の量は増えるものの、いっこうに成績に反映されません。3年次後期に同期の仲間とゼミを組むと、彼らとの明確な学力の差を認識させられることになりました。しかし、当時の私には、その“差”が何であるのか、加えて、その“差”を埋める方法が分からず、時間だけが過ぎていきました。そして、模試ではぎりぎりの成績の末、初めて臨んだ新司法試験では惨敗でした。敗因は、先生方や合格を果たした諸先輩方に積極的に相談せず、1、2年次生からゼミを組まなかったことにあると自己分析。2回目の受験に臨むにあたっての課題としました。

 2回目の受験時には、合格者から弱点を指摘してもらったり、先生方に答案の添削を依頼。その結果、覚えた知識を全部書こうとする、回答内容の文章は表現力が乏しく抽象的で見る側には伝わりにくい、実務感覚が欠如しているなど、私が抱える問題点が明らかになりました。そうした課題を克服すべく、新聞の社説や判決書を音読、新司法試験の論文問題を題材にした講義や答案の添削に参加するなど、弱点の改善を図りました。
 受験仲間以外に、法学の基本的な知識しかない1、2年次生にも自分の答案を見てもらい、彼らのレベルでも容易に理解できる答案が書けているかをチェックしました。そのほか、修了生が忘れてしまいがちな基本的な知識を再度確認するために、1年次生対象の講義に参加しました。
 このように、準備を万全に整えたにも関わらず、2度目の挑戦もあえなく失敗。受験1ヵ月前から20年ぶりの喘息に襲われ、体調不良も重なり試験本番で2日間眠れず、満足な体調管理ができなかったことが大きく影響したと思われます。しかし、それだけが敗因ではなく、試験対策そのものも不十分だったのです。

 そして、3回目の挑戦。受験最後の年は、背水の陣というプレッシャーと闘うため、まず、適度な睡眠やバランスの取れた食事など、体調管理を徹底。試験対策については、特定の科目に注力するのではなく、すべてをカバーすることを心がけました。社説や判決書を速読し、素早く要点を理解するトレーニングを行い、答案の文章理解のスピードアップを図り、知識を詰め込むのではなく、深く掘り下げて考えるということを徹底しました。また、実務感覚を身に付け目的意識を明瞭にするため、法律事務所に3ヵ月通いました。
 何より、3回目の受験では、試験に臨む気持ちに大きな変化がありました。それは、自分のためだけではなく、自分を支えてくれている他者のためにも合格したいと強く思えるようになったことです。親兄弟をはじめ、友人、教職員の方々にいたるまで、自分を励まし合格を心から願っている人たちのためにも、合格しよう——。私を支えてくれている周囲の人たちすべてに感謝し、その期待に応えたいと思うようになったのです。

私は、3回目の受験で、ようやくその期待に応えることができました。

 新司法試験に合格する方法は一つではありません。結局のところ、その方法は人それぞれ。私の場合は、先生方、先輩、優秀な同期など周囲の方々の意見を謙虚に受け止め、弱点克服のために一心に勉強し続けたことが勝因だと思っています。 私は、一所懸命努力する人が好きです。新司法試験には、そうした人物にこそ合格してほしいと願っています。
皆さんも、真摯に努力し続け、必ず合格を勝ち取ってください。